セルフコンパッションとは

 他人にやさしくするにはまず自分にやさしく、という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?でも、「自分にやさしくする」ってどういうことなのか、具体的にやろうとするとわからなくなりませんか?

 

「自分にやさしくしたら自分が成長しなくなるのでは?」
「自分にやさしくしするとわがままになってみんなに嫌われるのでは?」
そんな恐れを心のどこかで感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

 コンパッションは「共に苦しみを感じる」という意味を含んだ言葉です。
やさしさや慈悲と訳されることが多い言葉ですが、コンパッションをぴったりとひとことで表す言葉を見つけるのは難しいです。

 

  CMT(Compassion Mind Training)ではコンパッションを次のように定義しています。

  1.  自分や他者の苦悩(とその原因)に気づくこと、
     細やかに心を寄せること
  2.  それを軽くしたい、防ぎたいと強く願い、行動にうつすこと

 セルフコンパッションは痛みや苦しみを感じている自分に寄り添い、それを取り除いていこうと自分とともにあること、とも言えます。

 

 こう書いてしまうととてもシンプルで単純なことのようですが、実践するのは意外と難しいです。それには、以下のような理由が考えられます。

  • 学校や会社で教わる機会がないこと
  • 慣れ親しんだ思考パターンや行動パターンに戻ってしまいがちなこと
  • 心の奥底にある「見捨てられ不安」や「親密性への恐れ」があらわれて邪魔をすることがあること
  • 知識として身に着けるだけではなく生理的な基盤も整えていく必要があること(筋力トレーニングみたいなものだと思ってください)

 セルフコンパッションの学びでは、自分の思考パターンに気づき、自分の中にある恐れや不安に気づいて、それらと上手につきあう実践をすすめていきます。

 


 セルフコンパッションの力を高めると

  • 自己批判(self-judgement)
  • 孤独感(isolation)
  • 過剰同一化(over-identification) 

 が減ると言われています。


 セルフコンパッションの力を高めると、自分が自分でいることを穏やかに認められるようになり、それができるようになると、周囲との人間関係も穏やかで温かなものへと変わっていきます。

 

 セルフコンパッションは、一生役立つパワフルなスキルです。